GM400 | 片状黒鉛 | パーライト |
---|---|---|
GA350 | 同 | 同 |
GB300 | 同 | 同 |
GC275 | 同 | 同 |
GD250 | 同 | 同 |
GE200 | 同 | パーライト(主)+フェライト |
GF150 | 同 | フェライト(主)+パーライト |
AQ | 同 | パーライト+ベイナイト |
TEL. 084-922-3811
〒721-0966 福山市手城町3−25−25
ミーハナイト・メタルとは、ミーハナイト法によって製造される種々の鋳鉄をいう。
ミーハナイト法は、鋳鉄中の黒鉛分布および基地組織をコントロールするための、いくつかのノウハウに基づいている。まず第一に、材質に応じた化学成分に基づくチル値と黒鉛核の量で決まる過冷度をもつ元湯を作り、これに接種を行うことにある。
このためには、極めて慎重な原材料の選択、細心の注意を払った操作、そ れに鋳鉄の鋳造上の特性を見極める十分な知識が必要である。
ミーハナイト法は、溶解・材質管理に止まらず、鋳造方案に関する技法をはじめ、 鋳物製造全般に対し総合的に体系化された技術を駆使するものである。
従来のいわゆる「勘」に頼るやり方を排することによって、信頼性の高い製品を得ることを目的としている。
ミーハナイト法では綿密に組み立てられた技術により、優れた品質の鋳物が得られるが、技術者が確信をもって設計するためには、ミーハナイト・メタルの機械的、物理的性質に関する正確な数値を自在に使いこなすことが必要である。
この目的から、ミーハナイト・メタルは、使用用途に応じて最適の種類が選べるように、それぞれ代表的な性質をもったいくつかのタイプに大別されている。
まず、用途に従って、大きく次のように分類する。
記号の意味は、次のとおりである。
Sタイプにおいて、FはFerrite(フェライト)、PはPearlite(パーライト)の基地組織を、HはHeat treatment(熱処理)を示す。
また、G(S)タイプにおいて、末尾の数字は引張強さの下限値を示している。
例)SPF500:一般工業用球状黒鉛タイプ、基地はフェライト(主)+パーライト、引張強さ500N/?以上。
この分類は、鋳物の用途に関するもので、それぞれの金属組織および特性値に従ってさらに次のように区分している。
この一般工業用ミーハナイト・メタルのシリーズは、片状黒鉛系Gタイプと球状黒鉛系Sタイプに区分している。各タイプは、さらに引張強さによって区分している。
GM400 | 片状黒鉛 | パーライト |
---|---|---|
GA350 | 同 | 同 |
GB300 | 同 | 同 |
GC275 | 同 | 同 |
GD250 | 同 | 同 |
GE200 | 同 | パーライト(主)+フェライト |
GF150 | 同 | フェライト(主)+パーライト |
AQ | 同 | パーライト+ベイナイト |
AQは、早期取り出し(熱間型ばらし)または焼ならしにより、高強度と高硬度が得られるものである。
SFF350 | 球状黒鉛 | フェライト |
---|---|---|
SFF400 | 同 | 同 |
SF400 | 同 | 同 |
SFP500 | 同 | フェライト(主)+パーライト |
SPF600 | 同 | パーライト(主)+フェライト |
SP700 | 同 | パーライト |
SH800 | 同 | 微細パーライト または 焼もどしマルテンサイト |
SH1000 | 同 | 焼もどしマルテンサイト |
本来耐摩耗用として作られたこのシリーズは、それぞれ異なった機械的性質を持っているが、耐摩耗性を決定づける金属組織によって、次のように区分している。
すなわち、炭素が遊離状態で黒鉛として存在するか、炭化物であるか、または両者が混在するかによる。炭化物であるものは、白鋳鉄と呼ばれる。
AQSは、早期取り出し(熱間型ばらし)または焼ならしにより、高強度で耐摩耗性が得られる球状黒鉛鋳鉄である。
ADIタイプは、オーステンパ熱処理を施した球状黒鉛鋳鉄であり、高強度で耐摩耗性に富み、鍛鋼に代わって用いられる。引張強さによって3種に区分している。
WA | 片状黒鉛・炭化物 | パーライト |
---|---|---|
W1 | 炭化物 | 同 |
W2 | 同 | ベイナイトまたはマルテンサイト |
W4 | 同 | オーステナイト+マルテンサイト |
W20 | 同 | 同 |
WS | 球状黒鉛 | マルテンサイト |
WSH | 同 | オーステナイト |
AQS | 同 | パーライト+ベイナイト |
ADI900 | 同 | ベイナイト*(主)+オーステナイト |
ADI1000 | 同 | 同 |
ADI1200 | 同 | 同 |
*:ADIの基地組織は、JIS規格での「ベイナイト」の用語を用いているが、ASTMでは「オースフェライト」というのが正しいとしている。
一般工業用タイプも耐熱性はかなり優れているが、耐熱タイプのミーハナイト・メタルは広範囲の高温使用条件に特に適合するように作られたものである。
このシリーズは、用途によって次のように区分しているが、それぞれの組織に応じた特性をもっている。
UCは共晶黒鉛をもつタイプであり、熱影響による内部酸化に対して良好な耐久性を持っている。また、機械加工面の緻密度に富んでいる。
CV黒鉛タイプのFC275,PC400は、片状黒鉛鋳鉄と球状黒鉛鋳鉄の中間的な性質を示す。適度な強さ、靭性、熱伝導率、および耐熱衝撃性の組み合わせが得られ、表面ひび割れが起こりにくい。基地組織により2種に区分している。
HE | 片状黒鉛 | フェライト(主)+パーライト(耐熱衝撃用) |
---|---|---|
HD | 同 | パーライト(600℃まで) |
HR | 炭化物・片状黒鉛 | 同 (700℃まで) |
HS | 球状黒鉛 | フェライト(900℃まで) |
HSV | 同 | フェライト+パーライト (900℃まで、耐荷重用) |
UC | 共晶黒鉛 | フェライト(特殊用途用) |
FC275 | CV黒鉛 | 同 ( 同 ) |
PC400 | 同 | パーライト( 同 ) |
このシリーズは、組織によって広範囲のものに分かれているが、化学成分は使用条件によってそれぞれ変化させている。 ニッケル・オーステナイト系のCRとCRSは、この種の材料に関する各種規格に適合している。
CC | 片状黒鉛 | パーライト |
---|---|---|
CB3 | 同 | 同 |
CR各種 | 同 | オーステナイト |
CRS各種 | 球状黒鉛 | 同 |
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